一般社団法人 日本建築美術工芸協会

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AACA賞
AACA賞2011 芦原義信賞(新人賞)奨励賞豊洲キュービックガーデン
AACA賞2011 芦原義信賞(新人賞)奨励賞
豊洲キュービックガーデン

作 者:清水建設+梅垣春記(第一生命) 清水建設(株)一級建築士事務所大西正修、鼻戸隆志
インテリアデザイン:(株)フィールドフォー・デザインオフィス志村美治
ライティングデザイン:ICE都市環境照明研究所武石正宣
サインデザイン:エモーショナル・スペース・デザイン 渡辺太郎
ランドスケープデザイン:(株)プレイスメディア 宮城俊作、吉田 新

選評
 大正時代後期以来永く造船所として使われてきたこの地域が、都市計画の変更によって現在の街並みに姿を変え始めてからまだ10年にならない。新しい職住近接型の街の中心にこの敷地はある。生命保険会社が事業主のテナントビルである。外構のデザインはスーパーブロック内3事業主の申し合わせによって統一されているため、快適な歩行者空間と豊富な緑が街区に豊かなゆとりをもたらした。
 このビルの最大の特徴は、最新大型オフィスビルとして持つことが望ましいと思われる性能をほとんど備えていることだと言える。免震装置の完備はもとより、オフィス空間では3mの天井高、15㎝のOAフロア、自動制御のブラインドや人感センサー照度センサーによる照明の制御、72時間対応の非常用発電や3日分の飲料水の備蓄等の十分なBCP(事業継続)対応、中央部の吹き抜けを使った外気冷房やナイトパージ、等々、新環境技術を駆使した環境配慮型新オフィスである。中でも1フロア4500㎡を超える大きなオフィススペースは圧巻である。外周部にはガラス窓に面したアメニティースペースが連なっていて、中央部の吹き抜けと相まって広大なオフィスに回遊性を与えている。
 中央の吹き抜けと外部の間の共用部は実用的な大型のアートを設置した、3~5層の吹き抜けとなっていて、ビルに働く人々にとって勤務の合間に訪れる憩いのスペースとなった。
 現代の理想的オフィスのサンプルと言えるだろう。
選考委員 可児才介