AACA賞2012 優秀賞|象の鼻パーク/テラス
AACA賞2012 優秀賞
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敷地は日本大通りの突き当たりにある、横浜港発祥の地・象の鼻地区である。象の鼻防波堤の復元や海岸部の整備、多彩な催しに対応できる広場の整備、展示・上演機能を併せ持つカフェ・休憩所の建設を柱に設計が行われた。
「開港の丘」と名付けられた丘には、昔の防波堤に使われていた石のベンチが並べられ、広場でアートイベントが行われていない時も、後ろに広がる赤れんが倉庫や横浜の発展を彩る数々の建物のパノラマを楽しむ事ができる。この一角に建設された「象の鼻テラス」という施設では、開館以来さまざまなイベントが開催され、文化芸術創造都市ヨコハマの将来への環境づくりに大きな役割を果たしている。
大さん橋の根元から広がる広場を引き締めているのは、サークル状に並ぶ照明スクリーンである。鋳鉄の縦格子と乳白FRPグレーチングを重ね合わせた構造で,左右と上面にLEDと同じくらい長寿命で消費電力が少ない3色のコールドカソードランプ(冷陰極管)を設置して、広場の明るさを確保すると共に、横浜の華やかな夜景に負けない祝祭的な光のシーンを作り出している。港湾、造園、建築、アート、照明などの分野の異なる人たちの連携によって「横浜港発祥の地」を可視化すると同時に、土地の記憶を活かし、横浜の歴史と未来をつなぐシンボル的空間を作りたいと願った多くの人々の熱意を見事に実らせたデザインである。