AACA賞2012 優秀賞|波動
AACA賞2012 優秀賞
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故に、完成時及びその後の変化は予想を含めてイメージした。通常、モニュメントは、広場や公園が出来上がると同時、またはその後に設置されることの方が多いが、今回はモニュメントが先行していた。
全体設計とモニュメント計画は極めて密接な関係にある。その微妙なバランスはモニュメント自体の最終的成果にも関わってくる重要なポイントである。この相互空間作用は、精密に入り組んだ空間構成でハーモニーとも考えられ、この双方及び周囲との融合性や整合性の成立は、特に野外の場合、時間、光、そして季節等々も大いに影響する。
この変動的組合せの焦点はコンセプトの半分を成す核心部でもある。基本設計及び実施設計後の最終調整や、設置段階での詰めにこそ成否がかかっていると考えられる。
これは数値や観念の上を行く、極めて体感的、感覚的領域でさえあり、モニュメントを含む全ての環境構築の「命」は、ここにかかっていると言える。
さて今回の作者のアピールは、大枠、上述の方向を目指していることは明らかであり、作品の存在としての強さも相まって、全体完成後は、より爽やかな空間演出が期待される。