一般社団法人 日本建築美術工芸協会

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AACA賞
AACA賞2012 奨励賞WOOD(ずだじこども園)
AACA賞2012 奨励賞
WOOD(ずだじこども園)

作 者:(株)ナウハウス 鈴木幸治

写真撮影 (株)スパイラル 小林浩志

写真撮影 (株)スパイラル 小林浩志
写真撮影 (株)スパイラル 小林浩志
選評
 ずだじこども園は、既設の幼稚園に隣接する保育所で幼保連型の認定こども園である。
 水田と畑に囲まれた建物は、半透明な膜で被われたており、畑のビニールハウスと共に溶け合い印象的な姿を田園に表わしている。遠目では、一見して保育園とは思えない。
 直線的構成の既設建築と曲線的でのびやかな新設建築とが、バランスを保って対比し、共通する半透明な外装被膜によって一体感を作り出している。
 木構造で居心地の良い空間づくり、保母さんの気配りと目配りが利く空間の工夫、風土の風を利用した自然換気によるローコスト対策など、設計者の苦心と努力がそこかしこにうかがえる。
 直線の廊下に曲線の廊下がつながって中庭を囲み回廊となる。その長さは100mに及ぶ。天井の高い幅広の廊下は保育室の縁側であり、園児の屋内運動場でもある。
 中庭は回廊によって内部化され、園児の安全を守り、季節風を防ぐ遊び場となっている。カラフルな遊具が中庭に居場所を得た立体造形となって、こども園らしい環境づくりに参加している。日中は半透明被膜によって壁面透過採光となり、日没後は内部照明が光壁となって中庭や周辺の田んぼを照らす。東西100mに及ぶ光壁が巨大な行灯となって、光のない田んぼに風景を触発し、存在感が浮かび上がる。
 ドラマチックな空間演出に地元民も好感を持っていることだろう。
 浜松の温暖な風土にあって、季節や時刻によって変化する太陽や風の自然環境を、園児たちが体感し、楽しめる仕組みづくりに努力した作者の熱意に拍手を送りたい。
選考委員 日高單也