一般社団法人 日本建築美術工芸協会

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AACA賞
AACA賞2012 芦原義信賞(新人賞)優秀賞SIA豊洲プライムスクエア
-ひとつのかたちと ひとつのしくみから 多様な表情-
AACA賞2012 芦原義信賞(新人賞)優秀賞
SIA豊洲プライムスクエア
-ひとつのかたちと ひとつのしくみから 多様な表情-

作 者:清水建設+フィールドフォー・デザインオフィス、設計:清水建設(株) 牧住敏幸、
構造:清水建設(株) 大藤大介、設備:清水建設(株) 池田真哉、
フィールドフォー・デザインオフィス 代田哲也

写真撮影 島尾 望(エスエス東京)

写真撮影 島尾 望(エスエス東京)
選評
 近年様々なプロジェクトが展開され発展が著しい豊洲地区に建設されたオフィスビルである。
 ほぼ正方形の平面型の中央にセンターコアを配した、極めてシンプルな構成のオフィスプランで、さまざまな大きさのテナント対応を計画している。
 アプローチからエントランスホールへは吹抜の開放的な空間が計画されその大壁面に本賞の対象となる壁面デザインが計画された。
 一つの押出型で製作された不等辺三角形のテラコッタと、一種類の特注金物で高9m巾50mの大壁面を、様々な表情を持つ魅力的な空間を極めて安価な手法で実現してみせた。
 テラコッタは下部から上部にいくに従って、長さを増し各々のピースの角度を微妙に変化させ、ライトアップの効果を巧みに利用してダイナミックでかつ繊細な表情を見せている。
 外部から入る太陽光の変化や四季の自然な光の変化に対応し、又人々の動きによる視線の変化も加えて常に変化する楽しさを与えてくれる。
 テラコッタという自然素材の柔らかさが相まって人々に安らぎをも与えてくれる。
 施工精度の厳しさや大量な均質を素材の製作等、この作品に取り組んだ人々の熱意が感じられる。建築の他のディテールにも様々な工夫が施され、かつ周辺の環境に対応させる為、各面で異なったファサードデザインを展開させる等、建築全体も質の高い作品に仕上がっている。
 若い担当者とデザイナーの共同による優れた作品として芦原義信賞にふさわしいと評価された。
選考委員 岡本賢