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AACA賞2017
優秀賞
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桐朋学園大学 調布キャンパス1号館
AACA賞2017 優秀賞
桐朋学園大学 調布キャンパス1号館
作 者:山梨知彦+羽鳥達也+笹山恭代+石原嘉人((株)日建設計)
所在地:東京都調布市調布ヶ丘1-10
選評
この建築は甲州街道から一歩中に入った武蔵野の気配が残る住宅地の一角に静かに佇んでいる。低層の住宅と近接した墓地と緑豊かな神社を背景に小さな分棟形式で周囲のスケールと程よいリズムで調和する姿は訪れる学生たちを心地よく迎えいれている。荒々しいRC打ち放しの表情の外観を持つ建築に楽器を携えた学生たちが吸い込まれて行く様子に初めは少し不思議な感覚を覚えたが、次第に行き交う学生たちの表情がとても楽しそうにしていることに気付かされる。その印象は内部に入るとさらに増幅される。1階はランダムに配置された細いRCの柱のラウンジ空間で、授業やレッスンを待つ間、楽しげに会話をしていたり、真剣な表情で楽譜を見る学生たちが、生き生きとした様子で寛いでいる。見える範囲を丁寧に調整した開口部からは隣接する墓地の存在は消され、その先の神社の豊かな森の緑が眼に飛び込んでくる。また敷地の持つ高低差を上手に取り入れ、高さの異なる大小のレッスン室の平面と断面の組み合わせで、レベル差も含め多様な空間を持つ構成が生み出されている。
それぞれのレッスン室を離すことで音の緩衝を避けているが、それによって生まれた自然光と景色をもたらす隙間が豊かな回廊空間をつくり出している。レッスン室はガラス張りで廊下から中の様子が垣間見られ、かすかに音が聞こえてくる。そこには中廊下型の機能的なレッスン室の単調な牢獄のような空間は存在しない。2階は中央に中庭があり、ランダムな部屋の配置から生まれたT字に組み合わされた梁が心地よいリズムを持つ外部空間をつくり出しており、この計画を支える構造と意匠の絶妙な調和が複雑な構成の建築をより豊にしていることに気付かされる。
改めて全体を見直してみると、600mm幅のベニヤ型枠の打ち放しで処理をしていない荒々しい質感の外観で構成され、これまでの音楽大学の持つ印象とは少し離れていると感じるくらい素っ気ないが、むしろクリエイティブな創造環境に相応しい姿に見えてくる。周到に計画された総合的プロポーションの追求によって、限られた予算を感じさせない美しい建築を実現した設計者の力量は特筆すべきものであり、AACA優秀賞に相応しい作品である。
選考委員 堀越英嗣
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それぞれのレッスン室を離すことで音の緩衝を避けているが、それによって生まれた自然光と景色をもたらす隙間が豊かな回廊空間をつくり出している。レッスン室はガラス張りで廊下から中の様子が垣間見られ、かすかに音が聞こえてくる。そこには中廊下型の機能的なレッスン室の単調な牢獄のような空間は存在しない。2階は中央に中庭があり、ランダムな部屋の配置から生まれたT字に組み合わされた梁が心地よいリズムを持つ外部空間をつくり出しており、この計画を支える構造と意匠の絶妙な調和が複雑な構成の建築をより豊にしていることに気付かされる。
改めて全体を見直してみると、600mm幅のベニヤ型枠の打ち放しで処理をしていない荒々しい質感の外観で構成され、これまでの音楽大学の持つ印象とは少し離れていると感じるくらい素っ気ないが、むしろクリエイティブな創造環境に相応しい姿に見えてくる。周到に計画された総合的プロポーションの追求によって、限られた予算を感じさせない美しい建築を実現した設計者の力量は特筆すべきものであり、AACA優秀賞に相応しい作品である。