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AACA賞2017 審査総評
審査委員長をお引き受けして2年目となりました。今年も昨年同様多くのベテラン審査員の方々に支えられて、無事に審査を終えることができました。改めて感謝申し上げます。
応募作品は今年も大変バラエティに富んだものであり、大きな組織が真っ向から取り組んだもの、アトリエ的な作家が信念を持って挑んだもの、長い年月をかけてつくり続けられたもの等々、いつもに増して多様な応募がありました。また、単にアートや工芸と建築との協奏という枠組みを超えて、作者がそれぞれにユニークな方法で独自の作品づくりを模索していることがはっきりと現れていました。そうした中で、経験に裏付けられた本格的な建築でありながら、同時にとても思い切った斬新なアクティブ・ラーニング空間を実現した《近畿大学 ACADAMIC THEATER》が今年のAACA賞に選ばれました。角度を振って重ね合わされたグリッドが導く、魅力的な街路のような閲覧スペースに大胆に落とし込まれた中庭からの光が満ちて、豊かな活気を生んでいます。
芦原義信賞には、AACA賞を最後まで競った《ニフコYRP防爆棟・実験棟》が選ばれ、そのデザインにかける並々ならぬ情熱に審査員が感服しました。既存の実験施設などをつなぐ、いわば補助的な施設でありながら、意欲的な構造計画と、巧みな空間配置の妙が相まって見事に芸術的な主役となっています。この両者に続く優秀賞3作品も三者三様の一筋縄で行かない強い個性があり、何れ劣らぬ力作だと思います。その筆頭が《桐朋学園大学 調布キャンパス一号館》、徹底的にラワンベニアによる荒々しい打放しコンクリート表現にこだわり、力強くまた効果的に組まれた梁のパターンも合わせて、空間に重量感と同時に静かな流動感を生んでいます。同じく優秀賞の《星のや東京》はオフィスと商業が混在する新しい東京大手町の一角に姿を現した、日本をテーマとした旅館です。いわゆる伝統的な「日本旅館」とは趣きが異なりますが、ゲストに心地よい驚きをもたらすアミューズメント性に満ちています。畳や無垢のヒバ材などを始め、質感の協奏が圧巻です。優秀賞のもう1点は、牡蠣殻を混入してつくられたコンクリートブロックが円筒状に積み上げられた《一華寺無尽塔》で、墓所に併設された礼拝のための施設です。素材に対する飽くなき探求が実を結んだ、建築自体が工芸品のような極めてユニークな作品でした。
これに対し、特別賞2点《四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト》と《洗足池の家/MONOLITH》は、片や構想以来20年以上の歳月をかけて、一つ一つ地域の人々に呼びかけて紡ぎ出されるようにして生み出された、いく先々でお遍路さんをサポートする小屋を、すべてボランティアによって創り出すという、行為そのものが現代の参加型アート、他方は極限まで突き詰められたディテールによって、飽くまでストイックに建築づくりを行う至高の作品づくりと、まったく正反対の性格を持った作品です。共通するのはいずれもひたすら脱帽させられるというところでしょうか。
最後に奨励賞1点《特別養護老人ホーム 成仁ハウス100年の里》は、入居者の人間的な視点に立って、共に暮らすことに楽しさを感じさせる平面計画がよく練られており、三階建てでありながら、戸建ての連続を感じさせるような分節のデザインが奏功した佳品です。今年もこのように真にバラエティに富んだ入賞作品を選出することができ、とてもうれしく思います。来年もさらに期待しています。
選考委員長 古谷 誠章
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応募作品は今年も大変バラエティに富んだものであり、大きな組織が真っ向から取り組んだもの、アトリエ的な作家が信念を持って挑んだもの、長い年月をかけてつくり続けられたもの等々、いつもに増して多様な応募がありました。また、単にアートや工芸と建築との協奏という枠組みを超えて、作者がそれぞれにユニークな方法で独自の作品づくりを模索していることがはっきりと現れていました。そうした中で、経験に裏付けられた本格的な建築でありながら、同時にとても思い切った斬新なアクティブ・ラーニング空間を実現した《近畿大学 ACADAMIC THEATER》が今年のAACA賞に選ばれました。角度を振って重ね合わされたグリッドが導く、魅力的な街路のような閲覧スペースに大胆に落とし込まれた中庭からの光が満ちて、豊かな活気を生んでいます。
芦原義信賞には、AACA賞を最後まで競った《ニフコYRP防爆棟・実験棟》が選ばれ、そのデザインにかける並々ならぬ情熱に審査員が感服しました。既存の実験施設などをつなぐ、いわば補助的な施設でありながら、意欲的な構造計画と、巧みな空間配置の妙が相まって見事に芸術的な主役となっています。この両者に続く優秀賞3作品も三者三様の一筋縄で行かない強い個性があり、何れ劣らぬ力作だと思います。その筆頭が《桐朋学園大学 調布キャンパス一号館》、徹底的にラワンベニアによる荒々しい打放しコンクリート表現にこだわり、力強くまた効果的に組まれた梁のパターンも合わせて、空間に重量感と同時に静かな流動感を生んでいます。同じく優秀賞の《星のや東京》はオフィスと商業が混在する新しい東京大手町の一角に姿を現した、日本をテーマとした旅館です。いわゆる伝統的な「日本旅館」とは趣きが異なりますが、ゲストに心地よい驚きをもたらすアミューズメント性に満ちています。畳や無垢のヒバ材などを始め、質感の協奏が圧巻です。優秀賞のもう1点は、牡蠣殻を混入してつくられたコンクリートブロックが円筒状に積み上げられた《一華寺無尽塔》で、墓所に併設された礼拝のための施設です。素材に対する飽くなき探求が実を結んだ、建築自体が工芸品のような極めてユニークな作品でした。
これに対し、特別賞2点《四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト》と《洗足池の家/MONOLITH》は、片や構想以来20年以上の歳月をかけて、一つ一つ地域の人々に呼びかけて紡ぎ出されるようにして生み出された、いく先々でお遍路さんをサポートする小屋を、すべてボランティアによって創り出すという、行為そのものが現代の参加型アート、他方は極限まで突き詰められたディテールによって、飽くまでストイックに建築づくりを行う至高の作品づくりと、まったく正反対の性格を持った作品です。共通するのはいずれもひたすら脱帽させられるというところでしょうか。
最後に奨励賞1点《特別養護老人ホーム 成仁ハウス100年の里》は、入居者の人間的な視点に立って、共に暮らすことに楽しさを感じさせる平面計画がよく練られており、三階建てでありながら、戸建ての連続を感じさせるような分節のデザインが奏功した佳品です。今年もこのように真にバラエティに富んだ入賞作品を選出することができ、とてもうれしく思います。来年もさらに期待しています。