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AACA賞
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出島表門橋
AACA賞2018 AACA賞
出島表門橋
作 者:Ney & Partners Japan
(Laurent Ney/渡邉竜一/Eric Bodarwe/岡田裕司)
DIAGRAM(鈴木直之、愚川知佳)
所在地:長崎県長崎市出島町6-1
写真撮影 ©momoko japan
写真撮影 ©momoko japan
選評
長崎県長崎市にある「出島」は鎖国時代の日本にとって、欧州を含めた海外との唯一の接点としての人工島であり、1638(寛永18)年に築造された。島と街をつないだのは橋長わずか4.5mの組積造の「出島橋」であった。明治時代に入り、中島川変流工事(1887-1889)によって川幅は5mから30mに拡幅され、この橋は消えた。さらに1897年からの港湾工事により出島の南側は埋立てられ、内陸化された島の姿は失われた。
1951(昭和26)年、長崎市は2050年までに出島完全復活をめざした整備事業に着手。そして2013年、出島表門橋を中心とした設計プロポーザルコンペが実施された。
設計要件の第一は、史跡である出島内の遺構を損傷しない様杭や橋台の設置は不可であり、第二に過去の模倣や復元ではなく現代の橋のデザインをめざすことであった。
ここで注目される設計コンセプトは二つ。ひとつ目は出島の風景を尊重するため、上部に構造体を出さず、適切なスケールと表情がつくられていること。歴史的な風景と対話するような構造形態を求めると共に、人が触れるさまざまなディテールや照明が丁寧に設計されている。いまひとつは力をバランスさせながら片持梁形式に近い形で33m余りのスパンを飛ばしている大胆な構造体の着想と工夫。造船の街・長崎の溶接技術や施工技術を駆使しながら、意匠と構造とが一体となった流麗なデザインが堅実に実現へと導かれている。
さらにこのプロジェクトの成果が高く評価されるのは設計から完成に至る一連のプロセスを市民運動としてデザインしていることである。海から見たことが無いものが入って来たという出島の歴史をなぞり、40m近い歩道橋を地元の造船所で一体製作し、海上輸送の後に、延べ5千人の市民が見守る中、“架橋”を街の祭りごととして成立させているのはまさに奇跡である。
街の資産としての愛着醸成が生まれ、完成後も市民自らによるメンテナンス活動が展開されている。ここでは“かたちのデザイン”と“物語の共有”という、モノとコトとが総合的に計画・実施されており、現代の建築・インフラの新しいあり方が提示されている。
社会的・文化的な価値が極めて高い作品といえる。
選考委員 斎藤公男
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1951(昭和26)年、長崎市は2050年までに出島完全復活をめざした整備事業に着手。そして2013年、出島表門橋を中心とした設計プロポーザルコンペが実施された。
設計要件の第一は、史跡である出島内の遺構を損傷しない様杭や橋台の設置は不可であり、第二に過去の模倣や復元ではなく現代の橋のデザインをめざすことであった。
ここで注目される設計コンセプトは二つ。ひとつ目は出島の風景を尊重するため、上部に構造体を出さず、適切なスケールと表情がつくられていること。歴史的な風景と対話するような構造形態を求めると共に、人が触れるさまざまなディテールや照明が丁寧に設計されている。いまひとつは力をバランスさせながら片持梁形式に近い形で33m余りのスパンを飛ばしている大胆な構造体の着想と工夫。造船の街・長崎の溶接技術や施工技術を駆使しながら、意匠と構造とが一体となった流麗なデザインが堅実に実現へと導かれている。
さらにこのプロジェクトの成果が高く評価されるのは設計から完成に至る一連のプロセスを市民運動としてデザインしていることである。海から見たことが無いものが入って来たという出島の歴史をなぞり、40m近い歩道橋を地元の造船所で一体製作し、海上輸送の後に、延べ5千人の市民が見守る中、“架橋”を街の祭りごととして成立させているのはまさに奇跡である。
街の資産としての愛着醸成が生まれ、完成後も市民自らによるメンテナンス活動が展開されている。ここでは“かたちのデザイン”と“物語の共有”という、モノとコトとが総合的に計画・実施されており、現代の建築・インフラの新しいあり方が提示されている。
社会的・文化的な価値が極めて高い作品といえる。