ホーム
今を考える
OPINIONS
アートと文化と環境と
デジタルギャラリー
作品一覧
AACA賞
本年の受賞作品
応募要項
催し
スケジュール
イベントカレンダー
お知らせ
ニュース一覧
活動記録
会報
講演会・シンポジウム
フォーラム
サロン
展覧会
調査研究
% for ART
視察
会員が参加する催し
aacaについて
会長あいさつ
憲章・理念・沿革
活動・組織
会員名簿
入会案内
法人情報
コンプライアンス
アクセス
会員ページ
aacaカレンダー
総会
HP掲載依頼
各種書式DL
お問い合わせ
メール・電話
AACA賞トップ
AACA賞について
応募要項
AACA賞2023受賞作品
過去の受賞作品一覧
2022 / 第32回
2021 / 第31回
2020 / 第30回
2019 / 第29回
2018 / 第28回
2017 / 第27回
2016 / 第26回
2015 / 第25回
2014 / 第24回
2013 / 第23回
2012 / 第22回
2011 / 第21回
2010 / 第20回
2009 / 第19回
2008 / 第18回
2007 / 第17回
2006 / 第16回
2005 / 第15回
2004 / 第14回
2003 / 第13回
2002 / 第12回
2001 / 第11回
2000 / 第10回
1999 / 第09回
1998 / 第08回
1997 / 第07回
1996 / 第06回
1995 / 第05回
1994 / 第04回
1993 / 第03回
1992 / 第02回
1991 / 第01回
サイトマップ
ホーム
今を考える
デジタルギャラリー
AACA賞
催し
お知らせ
aacaについて
会員ページ
お問い合わせ
× メニューを閉じる
2022 / 第32回
2011 / 第21回
2000 / 第10回
2021 / 第31回
2010 / 第20回
1999 / 第09回
2020 / 第30回
2009 / 第19回
1998 / 第08回
2019 / 第29回
2008 / 第18回
1997 / 第07回
2018 / 第28回
2007 / 第17回
1996 / 第06回
2017 / 第27回
2006 / 第16回
1995 / 第05回
2016 / 第26回
2005 / 第15回
1994 / 第04回
2015 / 第25回
2004 / 第14回
1993 / 第03回
2014 / 第24回
2003 / 第13回
1992 / 第02回
2013 / 第23回
2002 / 第12回
1991 / 第01回
2012 / 第22回
2001 / 第11回
AACA賞2018
奨励賞
|
伊根の舟屋
AACA賞2018 奨励賞
伊根の舟屋
作 者:京谷友也
所在地:京都府与謝郡伊根町平田546
写真撮影 牛久保賢二
写真撮影 京谷建築設計室
写真撮影 牛久保賢二
選評
この作品は、昭和30年までに建築された主屋、蔵と切妻屋根の舟屋が連なる景観から成る伝統的な建造物群を、2005年に文化庁が『伊根町伊根浦重要伝統的建造物群保存地区』に指定した中にある。
私は40年前の夏の日に、海岸沿いの砂利道をバスに揺られて漸くたどり着いた只々静かな伊根浦漁村の記憶は今でも鮮明に残っていたので、この作品「伊根の舟屋」には一際興味と危惧を持ち訪れたのです。
海からの遠景は、大きく開いた舟入の黒い開口の数が減ってはいるが、切妻の2階建が並ぶ独特の景観は保たれている。一方、砂利道はすっかり舗装され、若者や外国人観光客が訪れて思いのほか活気があり、観光客のための新しい木造切妻の施設が多く建設されている。
作者は、古い舟屋を改修して1組だけの宿「伊根の舟屋?風雅」として再生した。
舟屋は、元々は伊根浦独特の「ともぶと」と呼ばれる軽船を、舟入から屋根のある小屋に引き上げ、漁具格納や漁網干場、漁の準備をする作業場、いわゆる船のガレージであり、2階は寝間にも使われていた。
改修の際には舟入の機能はすでに失い、自治体事業によって擁壁が設けられ「重伝建」指定の為、復元ができない。入り口は道路から1.5mのレベル差をユニバーサルデザイン対応のアプローチとするために、曳家技術によって1m引き上げ基礎部の強度補強や設備対応と同時にスロープで結ぶことで解消している。元々の柱梁の架構をそのまま表し、微妙に振れる内部空間を生かして宿泊者のくつろぎの場とし、海に接する外部に、船ならぬ湯船を置いて露店風呂とするなど、細やかな仕掛けを組み込みながら、気持ちの良い空間を作っている。本来なら寝間として使われていただろう2階を、常に穏やかな水面を漂うように海を満喫できるベッドルームとして環境をうまく取り込んでいる。細部の納まりに小さな破綻が散見されるが、伝統架構をそのままに現した改修の宿命といえる。宿屋としての内外部共に装飾的表現が全くない、楚々として再生したこの作品に、商業的に活路を目指すのでなく、長い歴史の水脈の流れの中で再生を実現したことに、改めて好感が持てるのである。
選考委員 藤江和子
|
AACA賞 TOP
|
私は40年前の夏の日に、海岸沿いの砂利道をバスに揺られて漸くたどり着いた只々静かな伊根浦漁村の記憶は今でも鮮明に残っていたので、この作品「伊根の舟屋」には一際興味と危惧を持ち訪れたのです。
海からの遠景は、大きく開いた舟入の黒い開口の数が減ってはいるが、切妻の2階建が並ぶ独特の景観は保たれている。一方、砂利道はすっかり舗装され、若者や外国人観光客が訪れて思いのほか活気があり、観光客のための新しい木造切妻の施設が多く建設されている。
作者は、古い舟屋を改修して1組だけの宿「伊根の舟屋?風雅」として再生した。
舟屋は、元々は伊根浦独特の「ともぶと」と呼ばれる軽船を、舟入から屋根のある小屋に引き上げ、漁具格納や漁網干場、漁の準備をする作業場、いわゆる船のガレージであり、2階は寝間にも使われていた。
改修の際には舟入の機能はすでに失い、自治体事業によって擁壁が設けられ「重伝建」指定の為、復元ができない。入り口は道路から1.5mのレベル差をユニバーサルデザイン対応のアプローチとするために、曳家技術によって1m引き上げ基礎部の強度補強や設備対応と同時にスロープで結ぶことで解消している。元々の柱梁の架構をそのまま表し、微妙に振れる内部空間を生かして宿泊者のくつろぎの場とし、海に接する外部に、船ならぬ湯船を置いて露店風呂とするなど、細やかな仕掛けを組み込みながら、気持ちの良い空間を作っている。本来なら寝間として使われていただろう2階を、常に穏やかな水面を漂うように海を満喫できるベッドルームとして環境をうまく取り込んでいる。細部の納まりに小さな破綻が散見されるが、伝統架構をそのままに現した改修の宿命といえる。宿屋としての内外部共に装飾的表現が全くない、楚々として再生したこの作品に、商業的に活路を目指すのでなく、長い歴史の水脈の流れの中で再生を実現したことに、改めて好感が持てるのである。