一般社団法人 日本建築美術工芸協会

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AACA賞
AACA賞2018 特別賞薬師寺 食堂(じきどう)
AACA賞2018 特別賞
薬師寺 食堂(じきどう)

作 者:監修:鈴木嘉吉
復元基本設計:文化財保存計画協会 矢野和之 舘﨑麻衣子
内部基本設計:伊東豊雄建築設計事務所 伊東豊雄
実施設計:竹中工務店 野田隆史 本弓省吾
仏画:田渕俊夫
須弥壇天蓋彩色:川面美術研究所 荒木かおり
照明計画:LIGHTDESIGN 東海林弘靖

所在地:奈良県奈良市西ノ京457

写真撮影 古川泰造
写真撮影 古川泰造
写真撮影 古川泰造
選評
 創建当初の建物は、天平2年(730)頃に建てられたとみられ、天禄4年(973)に焼失しました。その後 寛弘2年(1005)に再建の記録が残るが建物がいつまで存続したか不明となっていた。薬師寺の伽藍は金堂と中門と講堂を結ぶ回廊を中心に置き、その南に仏塔を東西に2基並立する双塔式配置であった。大陸から伝来し白鳳時代に天武・持統両天皇が薬師寺(本(もと)薬師寺)を建立されたおり、我が国では初めて取り入れられた新形式でした。当時最先端の建築や伽藍の規模・形式が平城西ノ京の薬師寺においても踏襲されている。東塔だけが創建時のまま遺存し、その美しい姿が称えられてきた。
 食堂の基壇は発掘調査により東西47.2m、南北21.7mと判りました。これを基に朱塗りの大柱の組み物の外観で、内部は建築家・伊藤豊雄氏に依頼された。「古くて新しい空間を」という要望を受け、現代建築技術での可能性を生かし、建築に「力強さ」を加えそして白鳳伽藍が造られたときのようにエレガントさと大陸につながるダイナミズムが感じられることを念頭に取り組んだ。天井には堂内の阿弥陀三尊の光背が広がる雲をイメージしたデザインで、アルミニウム板を金に染め天井に配した。
 日本画家 田渕俊夫氏は食堂御本尊阿弥陀三尊像と壁面14面(45m)の仏画が依頼された。阿弥陀三尊浄土図は6m四方の大壁画です。
 作者の言葉には「これまでになかったような、今の時代の仏さまを描いてください」という薬師寺の依頼で、形の美しさを超えた崇高さと慈悲深いお顔を自分流にしっかり覚悟し取組みました。当初私の頭に思い浮かんだのは、師である平山郁夫先生の「大唐西域壁画」で玄奘三蔵院伽藍にありますが、20年迄の歳月をかけて描かれました。で私は、長安から大和へ仏教が伝来する道すがらの光景を、絵描きのイメージで描こうとおもいました。最初の「旅立ち」の左端、彼方に小さく見える塔は玄奘三蔵ゆかりの長安の大雁塔です。遣唐使一行が文物や仏法を携えて日本に戻ろうとする姿をイメージの中で想像して描いたものです。とあった。
 日本建築美術工芸協会は 30周年記念事業の只中でありAACA賞の審査にも注目されたなかで「薬師寺食堂」は総合的に高く評価され選考委員全員一致にて特別賞に決定した。
 特にわたくしは14面の壁画に深い感動をおぼえた。
選考委員 米林雄一