AACA賞2022 特別賞|PortPlus大林組横浜研修所
AACA賞2022 特別賞
PortPlus大林組横浜研修所
Port Plus 大林組横浜研修所は、日本初の高層純木造耐火建築物であり、木材利用が強く求められる
今日の社会において建築の可能性を示した計画である。用途は研修所であり、木造木質空間を活かした
上でIoT 諸技術と融合したバイオフィリックデザインを徹底し、ユーザーの健康増進と、人・物・環境への様々
な気づきを提供する「これからの知を育む場」をデザインした。研修スペースは内部・外部で多様な吹抜で
空間を繋げることで他者や環境への気付きを促す。
また、木造の柱 / 梁は架構剛性を確保する「剛接合ロユニット」を開発し、工場でユニット化するため生産
性の向上に寄与する。地上部の柱・梁、床、壁、屋根のすべての木造部分の耐火仕様は、部材ごとに認
定仕様が定められ、部材接合部の耐火仕様の勝ち負け、変形に追随するディテール、熱橋にならない部
材取り付け方法の検証及び実証試験を実施し、高層純木造耐火建築物を実現した。
吹き抜け空間や植栽と一体となった外部空間の取り組みや外気導入のダブルスキンの採用、自然素材の仕上げ材等環境配慮を細やかに計画し、あらゆるところに木の暖かみを充分感じる事が出来る。
外装の木架構は全面ダブルスキンのガラスカーテンウォールで覆われて、架構表面の木の風化を防いでいると共に現代的な表現に成功している。様々な環境問題から木造が見直され、本格的な大架構建築や高層建築の時代が始まって、この建築はその嚆矢となる作品として特別賞に値する。