一般社団法人 日本建築美術工芸協会

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AACA賞
AACA賞2022 特別賞PortPlus大林組横浜研修所
AACA賞2022 特別賞
PortPlus大林組横浜研修所

Port Plus 大林組横浜研修所は、日本初の高層純木造耐火建築物であり、木材利用が強く求められる 今日の社会において建築の可能性を示した計画である。用途は研修所であり、木造木質空間を活かした 上でIoT 諸技術と融合したバイオフィリックデザインを徹底し、ユーザーの健康増進と、人・物・環境への様々 な気づきを提供する「これからの知を育む場」をデザインした。研修スペースは内部・外部で多様な吹抜で 空間を繋げることで他者や環境への気付きを促す。
また、木造の柱 / 梁は架構剛性を確保する「剛接合ロユニット」を開発し、工場でユニット化するため生産 性の向上に寄与する。地上部の柱・梁、床、壁、屋根のすべての木造部分の耐火仕様は、部材ごとに認 定仕様が定められ、部材接合部の耐火仕様の勝ち負け、変形に追随するディテール、熱橋にならない部 材取り付け方法の検証及び実証試験を実施し、高層純木造耐火建築物を実現した。

作 者:株式会社大林組設計本部
伊藤泰 堀池隆弥 伊藤翔 高山峻
太田真理 辻靖彦 岩井洋 西﨑真由美

所在地:神奈川県横浜市中区弁天通り

主要用途:研修所

敷地面積:563.28㎡ 建築面積:397.58㎡ 延床面積:3,502.87㎡

作品紹介ビデオを観る
誰もが木造建築を体感することができるように都市と街に開かれたピロティ
写真撮影 (株)エスエス 走出直道
十字型ユニットで構築された木構造体を可視化させた都市に建つ高層木造建築
写真撮影 (株)エスエス 走出直道
外部環境を取り込む吹抜テラス、そこから連続する居心地のよいワークスペース
写真撮影 (株)エスエス 走出直道
選評
日本国内初の純木構造の高層建築である。それを実現する為に様々な初めてのディテール開発や工法開発が必要となり、その為の多大なエネルギーが消費された事を感じさせる。耐火木構造体は芯材となる柱・梁材を耐火被覆で包み、更に表面材として燃え代材で覆う仕様としている。柱梁材を一体とした十字型のユニットをドリフトピンという棒鋼で接合して組み上げていく方式で、ジョイント金物等の使用を極力避ける工法が開発された。この剛接仕口の十字架型ユニットは工場製作により、生産性の向上に寄与している。柱・梁・床の全てを木造耐火被覆として様々な検証及び実証試験により高層純木造耐火建築物を実現した。建築用途は自社の研修施設である事から自由な発想の内部空間を構想し、各階が異なったプランで様々な研修スペース、コミュニケーションスペース、リラクゼーションスペースを構成している。
吹き抜け空間や植栽と一体となった外部空間の取り組みや外気導入のダブルスキンの採用、自然素材の仕上げ材等環境配慮を細やかに計画し、あらゆるところに木の暖かみを充分感じる事が出来る。
外装の木架構は全面ダブルスキンのガラスカーテンウォールで覆われて、架構表面の木の風化を防いでいると共に現代的な表現に成功している。様々な環境問題から木造が見直され、本格的な大架構建築や高層建築の時代が始まって、この建築はその嚆矢となる作品として特別賞に値する。
選考委員 岡本賢