AACA賞2007 特別賞|三井本館の保存・活用と日本橋三井タワーの開発
AACA賞2007 特別賞
三井本館の保存・活用と日本橋三井タワーの開発選評
1929年に建設された三井本館の建築は、周辺の三越百貨店や日銀本館の建築と共に永い間日本橋地区の象徴であり、端整な街並み造りのシンボル的存在であり、重要文化財に指定されていた。超高層タワーの建設構想に当り、如何に保存・活用し、新しい現代建築と調和させるかが大きなテーマとなった。昨今様々な保存・活用手法が研究され、街並みのイメージの継承が図られているが、本計画では建築を完全に保存し、再活用しながら新たな超高層ビルの基壇部分と一体として構成するというデザイン手法を採用することによって、彫刻的な存在感を感じさせる歴史的建築と現代建築の見事な一体感を実現させた。最先端の現代技術を駆使して、建築の文化価値を永続させる見事な開発手法は、重要文化財特別型特定街区(現在は、重要文化財保存型特別街区と名称変更)という新しい都市計画の枠組を創り出した結果の作品として、特別賞に価するものである。
選考委員 岡本 賢
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