AACA賞2007 芦原義信賞(新人賞)奨励賞|学校法人摺河学園ハーベスト医療福祉専門学校
AACA賞2007 芦原義信賞(新人賞)奨励賞
学校法人摺河学園ハーベスト医療福祉専門学校医療福祉系専門学校である本建築は、姫路駅南に位置し、学生の教育の場であるだけでなく、地域社会への医療、福祉、保育の情報発信基地として位置づけられている。本建築は多様な色の利用をそのテーマとしており、外観、内観ともに多くの色が使用されている。これは、多様な色の構成によって「多様性を許容する」という精神を表現するためである。これからの医療、福祉に携わる学生たちには、他者を思いやること、自らと異なる価値観を理解し、認め合う敬愛の精神を期待したい。多様な色を等価に扱い、多様性をはらんだ様相を構成することで、他を認め、共存する精神を建築デザイきンに託した。色の背景を形成する部分は、鉄筋コンクリートと有孔折板というモノトーンの素材にて構成し、着色されたパネルの手前に市松状に配置された有孔折板は、歩行者、電車、自動車などアプローチする視点の移動によって、建物外観の印象を刻々と変化させている。
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新幹線姫路駅に隣接して立つ5階建ての医療福祉関係の専門学校で、医療にあたって多様性を許容するという理念を色彩計画にその表現を求め、一見スーパーグラフィックを思わせる色の過剰をみせるが、正面ファサードは、各階に配された六色の壁面の手前に有孔折板を市松状のスクリーンとして立て、視覚の移動で透しみる仕掛けは、昼夜とも街に温い表情を投げかける。内部は各階ごとに色分けされ、什器類もすべてカラーコーディネートされており、壁面塗料も規格色を用いることで補修への配慮もされる。また、地域に開放し医療相談に応ずる一階ラウンヂには、青系の抽象画(石井春作)が並び、狭いスペースながら明るく外に向き合っている。玄関ホールの江上計太作の壁面オブジェとともにこの建築の色彩計画の要となっているようである。