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AACA賞
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福祉型障がい児入所施設まごころ園
AACA賞2019 AACA賞
福祉型障がい児入所施設まごころ園
作 者:山下秀之 木村博幸 江尻憲泰
所在地:新潟県見附市田井町4476
写真撮影 木田勝久
写真撮影 佐武浩一
写真撮影 木田勝久
選評
全国の知的障害者の数は100万人を超える。その1割強が施設に入所していて、その中の多くは家族に見捨てられたり、虐待を受けたりして、行く場所のない子供達(人達)だ。この学園はそのような障害児(障害者)を生涯にわたって受け入れる「終の棲家」である。新潟県にある9か所の公立施設の一つである。
長岡駅から車で30分程、のどかな田園の中を走り抜けると小高い丘陵地の森の中に学園が見えてくる。敷地の南側には既存の施設があり、駐車場を挟んで北側に平屋の新しい施設がある。優しい色合いの檜の板に包まれた小さな部屋の単位が、雁行しながら施設全体を形ち作る。海沿いにある出雲埼町の「妻入り屋根の波状」と言える家形群が作る美しい街並みにインスパイアされたという。従来、障害者施設では難しいとされてきた木質を全面的に取り入れた画期的な取り組みである。
平面の構成は、長崎の出島の一角にあった街並みにヒントを得た。管理施設部分を取り囲むようにL字型の居住室棟が、出島の海部分に当たる中庭を挟んで配置された。どちらに歩いて行っても元の場所に帰ってくる「円環」の構成になっていて、入所者にとっての「気配が見える空間」の効果をもたらしている。居室群の基本的な軸線は既存の建物に並行なのだが、全体の平面はその軸から18度、西側に傾けてある。その結果、内部には様々な空間が発生して楽しさや躍動感が生まれた。従来のこの種の施設ではできるだけ問題が起きないように四角い箱空間が管理者に好まれるのだが、ここでは学園長をはじめ運営する側と設計者が敢えて子供たちの心を動かす空間づくりに取り組んだ。「木質の空間は本来、触感、香り、調湿性、ぬくもり等、人がじかに触れることで情緒を育む大事な方法」という学園長の言葉に勇気づけられ、その工芸的な多くの工夫とも相まって、結果としては入所者だけではなく、スタッフや来訪者が居心地のよさを感じるものになった。限られた予算の中で地元の大工さんたちが扱いやすい、一般に流通している小径木を徹底的に使いながら厳しい構造条件をクリアした点も特筆に値する。
学園やスタッフの皆さんとともに、常に真摯に障害者と向き合い寄り添いながら作り上げた、名前通りの「まごころ学園」はまさにAACA賞にふさわしい作品である。
選考委員 可児才介
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長岡駅から車で30分程、のどかな田園の中を走り抜けると小高い丘陵地の森の中に学園が見えてくる。敷地の南側には既存の施設があり、駐車場を挟んで北側に平屋の新しい施設がある。優しい色合いの檜の板に包まれた小さな部屋の単位が、雁行しながら施設全体を形ち作る。海沿いにある出雲埼町の「妻入り屋根の波状」と言える家形群が作る美しい街並みにインスパイアされたという。従来、障害者施設では難しいとされてきた木質を全面的に取り入れた画期的な取り組みである。
平面の構成は、長崎の出島の一角にあった街並みにヒントを得た。管理施設部分を取り囲むようにL字型の居住室棟が、出島の海部分に当たる中庭を挟んで配置された。どちらに歩いて行っても元の場所に帰ってくる「円環」の構成になっていて、入所者にとっての「気配が見える空間」の効果をもたらしている。居室群の基本的な軸線は既存の建物に並行なのだが、全体の平面はその軸から18度、西側に傾けてある。その結果、内部には様々な空間が発生して楽しさや躍動感が生まれた。従来のこの種の施設ではできるだけ問題が起きないように四角い箱空間が管理者に好まれるのだが、ここでは学園長をはじめ運営する側と設計者が敢えて子供たちの心を動かす空間づくりに取り組んだ。「木質の空間は本来、触感、香り、調湿性、ぬくもり等、人がじかに触れることで情緒を育む大事な方法」という学園長の言葉に勇気づけられ、その工芸的な多くの工夫とも相まって、結果としては入所者だけではなく、スタッフや来訪者が居心地のよさを感じるものになった。限られた予算の中で地元の大工さんたちが扱いやすい、一般に流通している小径木を徹底的に使いながら厳しい構造条件をクリアした点も特筆に値する。
学園やスタッフの皆さんとともに、常に真摯に障害者と向き合い寄り添いながら作り上げた、名前通りの「まごころ学園」はまさにAACA賞にふさわしい作品である。