一般社団法人 日本建築美術工芸協会

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AACA賞
AACA賞2019 美術工芸賞i liv (アイリブ)
AACA賞2019 美術工芸賞
i liv (アイリブ)

作 者:大谷弘明・上原徹・大藤淳哉・府中拓也((株)日建設計)

所在地:東京都中央区銀座5-7-6

写真撮影 Koji Fujii/©Nacása & Partners Inc.
写真撮影 Koji Fujii/©Nacása & Partners Inc.
写真撮影 Koji Fujii/©Nacása & Partners Inc.
選評
 銀座四丁目交差点、中央通りに面して建つ一際高いビルを訪ねた。
 銀座通りを散策する人込みをさけながら、はじめにビルの正面を見上げ、さらに横断歩道を渡り右からしばらく見上げた。正午近くの強い陽射しを受け、そのビルは線状の光の反射が天空へ伸びるような美しい線となって見え、強い印象を受けた。
 作品の基本コンセプトは「環境、街並みの価値を高める、安心安全(人にやさしい)」とある。
 外観を435段のガラスルーバーで覆い、1段ずつ異なる局面とすることで、水紋のような表情を醸し出します。圧倒的なガラスの質感や、見る位置、時間、季節によって見せる違った表情が、人々の目を楽しませる新しい景観となり、街並みの価値を高められる事を目指している。
 建物は、間口約9m、奥行き約34mでクランク状の不整形な敷地に建ち、地下1階、地上14階、延床面積約3600㎡。構造間口7.5m、高さ66m、約1:9の搭状建物を成立させるための工夫(TMD)や粘性ダンパー等々や避難上有効なバルコニーをあえて目立つ中央通り側に置くなど、お客様への安心安全(人々にやさしい)を実現しました。
 銀座は都市景観の中でも特に変化が著しい、建築も空間と時間の結びつきの中で、構想のコンセプトの真価が問われるものだ。現地審査は6名の選考委員と共に参加した。
 ガラスルーバーを間近に見ると板ガラス4層もので、最大30㎝巾のルーバーを微妙に調整し曲面を作り出している。さらに光の入光角度と反射なども計測し進め、建物の最も重要なところに最上の力を集約して完成させたものだ。
 私は次下の3つの点で優れていると思う。
 独創性、技術的クォリティ、未来的美しさ、最終的には総合的に高く評価され、AACA美術工芸賞にふさわしい作品として決まった。
選考委員 米林雄一